すんなりいかなかったので備忘録のようなものを。
以下の記事で書いた手順は省略します。
WebSphere Application ServerとSpringで開発をする - White Box技術部
インストール環境とWASのインストーラ
- ホストOS:Windows 7 64bit
- ゲストOS:CentOS 6.6 64bit(Virtual Boxの確か4.3.20)
- WebSphere Application Server for Developers V8.5
以下のリンクからダウンロードできる「agent.installer.linux.gtk.x86_1.6.2000.20130301_2248.zip」
64bit環境に対して、32bitのインストーラ
結論から言ってしまうと、64bitのCentOSに対して、WASは32bitのインストーラしか提供されていなかったのが、今回の問題の原因でした。
zip解凍後にinstallを実行したところ、「ld-linux.so.2が存在しない」というエラーが発生します。
これは公式回答が出ているので、基本は以下のサイトの手順通りに実行すればよいのですが、 この手順だけではインストーラが起動しなかったため、実際に行った手順を仮想環境の手順と合わせて記載します。
server.repoの作成
# vim /etc/yum.repos.d/server.repo
作成したファイルには以下の内容を記入します。
[server] name=server baseurl=file:///media/CentOS_6.6_Final enabled=1
「/media/CentOS_6.6_Final」は、CentOSのインストールDisc1を、VirualBoxから読み込んだ時のパスです。 環境によって異なる可能性があるので、適宜修正してください。
yum install
以下のコマンドを順番に実行します。
# yum clean all # rpm --import /media/CentOS_6.6_Final/*GPG* # yum install gtk2.i686 # yum install libXtst.i686 # yum install compat-libstdc++
最後の「compat-libstdc++」は、不要なこともあるようです。私は不要でした。
ただ、私が実行した場合は、gtk2.i686のinstall実行時にnss-softokn-freeblの更新を要求されました。
要求された場合は以下を実行してから、再度yum installを実行してください。
# yum update nss-softokn-freebl
WAS installerのinstall実行
公式のサポートにある手順は以上ですが、この状態でWASのインストーラを実行してもインストーラが起動しなかったため、 起動させるまでに以下のエラーへの対応が必要でした。
① Gtk-Message: Failed to load module
以下のエラーが発生した場合、32bit版のモジュールがインストールされていないことが原因のようです。
Gtk-Message: Failed to load module "canberra-gtk-module" Gtk-Message: Failed to load module "pk-gtk-module"
以下のコマンドを実行します。
yum install PackageKit-gtk-module.i686 yum install libcanberra.i686 libcanberra-devel.i686
参考
② module_path にはテーマ・エンジンがありません
以下のエラーが発生した場合も、32bit版のモジュールがないことが原因のようです。
(Install:11785): Gtk-WARNING **: module_path にはテーマ・エンジンがありません: "clearlooks"
なのでインストールします。
# yum install gtk2-engines.i686
参考
③ インストール中のアプリ終了
②までを実行するとインストーラが起動するのですが、インストール中に以下のエラーでプログラム(Eclipse)が終了します。
java: cairo-misc.c:380: _cairo_operator_bounded_by_source: Assertion `NOT_REACHED' failed.
参考リンクのフォーラムに書かれているように、iniファイル(ここではinstall.ini)に以下を追加します。 私は末尾に追加しました。
-Dorg.eclipse.swt.internal.gtk.cairoGraphics=false
これでWASのインストールができるはずです。
参考
- Eclipse Community Forums: Java Development Tools (JDT) » Eclipse crash with RHEL 2.6.32-504.el6.i686
↑のURLは末尾/の有無で表示されるページが変わるため、注意してください。
プロファイル管理ツール起動時の注意
インストール後に起動するプロファイル作成用のツールもEclipseベースなので、 インストール後の自動起動でそのまま作業を継続すると、③と同じようなエラーで落ちます。
インストール先のディレクトリに移動し、③と同じように、iniファイル(IBMIM.ini)にオプションを追加してください。
IBMIM.iniはデフォルトインストールの場合、以下にあります。
/opt/IBM/InstallationManager/eclipse/IBMIM.ini
参考までに、WASのインストールディレクトリ関連のパス(デフォルト)を以下に示します。
/opt/IBM/IMShared /opt/IBM/WebSphere/AppServer
無事終了
以上の手順でCentOSにWASがインストールできました。